薬と健康情報通信

   第110回 インフルエンザウイルスの消毒について    

                                                 2013.12

  

   季節性インフエンザは例年、12月から3月くらいまでの間に流行のピー
  クを迎え、いったん流行すると急速に感染が広がります。インフルエンザ
  ウイルスは、咳やクシャミで出た飛まつを吸い込んだり(飛まつ感染)、ウイ
  ルスの付着したモノ(飛まつが付着したモノやウイルスがついた手で触れた
  モノ)を触った手から、目、鼻、口の粘膜に感染する(接触感染)と考えられて
  います。そこで、今回は接触感染を防ぐ消毒の方法についてお伝えします。

   インフルエンザウイルスが「モノ」の表面上で生存し、人への感染力が
  あるのは2〜8時間程度といわれています。そのため8時間以上放置してお
  けば、「モノ」から感染する心配はありません。しかし、8時間以上も放置
  できなかったり、インフルエンザにかかった人が頻繁に触れるなどして心配
  な場合は、流水と洗剤でウイルスを洗い流すか、以下の方法で消毒をして
  ください。

   インフルエンザウイルスの消毒には、加熱(80℃以上、10分間)、塩素
  系消毒液、消毒用アルコール(エタノール76.9〜81.4vol%)
による消毒
  のいずれも有効とされています。塩素系消毒液の有効成分(次亜塩素酸ナトリ
  ウム)は、市販の「家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチ等)」に含まれて
  います。商品の表示に従って水で薄めて使ってください。


   消毒の例 あらかじめ汚れを落としてから、消毒してください
  
  <手指>石けんと流水でよく洗い流すことが基本。消毒用アルコールを使
  用してもよい。
  <食器や調理器具など> 洗剤を使用し、通常通り洗う。
  <寝具・シーツ・衣類など布製品> 洗剤を使用し、通常通り洗濯する。
  洗濯機にかけられないものは、8時間程度干す。鼻水などが付着している
  ものは、静かに水の中で洗った後、塩素系消毒液に30分浸してから洗濯機
  にかける。
  <インフルエンザにかかった人が頻繁に触ったモノ>
  例:ドアノブや照明のスイッチ、椅子、テーブル、蛇口、おもちゃなど
  洗うことが可能なものは、水と洗剤で洗い流す。洗うことができないモノ
  は、布やペーパータオルに十分に消毒用アルコールを含ませて拭き、自然
  乾燥させる。または、塩素系消毒液に清潔なタオルを浸して拭き取り、10
  分後に水拭きをする。

  消毒剤の噴霧は、不完全な消毒やウイルスを飛び散らして汚染を広げて
  しまう可能性があります。特殊な場合を除いては、噴霧消毒は避けましょう。