薬と健康情報通信

   第122回 中耳炎                       2014.12

  

   耳の構造は、大きく「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」
  に分かれますが、この「中耳」の部分に細菌やウイルスなどが感染して炎
  症が起きたり、液体がたまる病気のことを「中耳炎」といいます。耳の痛
  みや発熱、難聴などが起こります。誰にでも起こる可能性のある病気です
  が、特に耳管が太くて短い、6ヵ月〜8歳くらいの小さな子供に多い病気です。


  種類と症状
  
  
急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)
  風邪から中耳炎になるケースで、細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入り、
  急性の炎症を起こしている状態です。耳痛や発熱、鼓膜の腫れ、耳だれなど
  の症状が起こります。最も一般的な中耳炎で、子供に多くみられます。


   滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
  中耳の粘膜の炎症などで耳管が狭くなり、中耳の気圧が外気より低くなるこ
  とが原因で、中耳の内腔に滲出液(しんしゅつえき)(炎症を起こした粘膜から
  滲み出した液体や膿)がたまった状態です。耳痛や発熱などはなく、難聴が主
  な症状になります。子供や高齢者に多くみられます。


   慢性中耳炎(まんせいちゅうじえん)
  急性中耳炎や滲出性中耳炎が治らず、炎症が慢性化した状態です。普段は
  痛みもなく、耳だれもありませんが、外耳道から水が入ったり、風邪がきっ
  かけで悪化し、耳だれを中心とした急性中耳炎の症状が現れます。このよう
  な症状の軽快・悪化を繰り返していくうちに、耳小骨(じしょうこつ)の周囲、
  さらには内耳にまで炎症が及び、内耳性難聴やめまいといった症状へ進行し
  ていきます。


   日常生活の注意点と再発を防ぐために

   鼻を勢いよくかむと、細菌が耳管を通って中耳に感染する原因になります。
  鼻をかむ時は、ゆっくりと数秒かけるようにしましょう。

   中耳炎は、完治したかどうかが分かりにくい病気です。自己判断で治療を
  やめてしまうと、慢性化したり、再発を繰り返しやすくなります。耳痛、
  難聴などの症状が治まっても、医師の許可が出るまでは治療を続けましょう。

   乳幼児の場合は、耳の痛みを自分で訴えることができないので、十分に
  様子を観察することが大切です。風邪を引いてから発熱が続く、ぐずりなが
  ら耳をしきりに気にする、頭を振る、といった仕草には要注意です。気にな
  る症状がみられたら、早めにかかりつけの病院や耳鼻咽喉科を受診しましょう。