第133回   百日咳                   2015.11

     

   
    百日咳は、百日咳菌という細菌による呼吸器の感染症です。子供の病
   気と思われていた百日咳ですが、大人になってかかる人が増加していま
   す。そのわりにあまり話題にならないのは、大人の場合、重症化する例
   が少ないからです。しかし、感染力が強いので、職場や学校での集団感
   染も起きています。さらに深刻なのは、大人から子供への感染です。特
   に、乳幼児に感染すると、ひどい咳が出て、ときには死に至るほど重症
   化しやすいのです。自分の健康のためだけでなく、子供や孫たちにうつ
   さないためにも、長引く咳には注意が必要です。


    症状は?
   
    通常7日間ほどの潜伏期間を経て発症し、次のような経過を経て回復
   までに2〜3ヵ月かかります。

   @風邪に似た症状(約2週間持続) 
   鼻水や咳など、風邪に似た症状が現れ、次第に咳の回数が増えていきます。
   この時期が最も感染力が強くなります。
  
   A発作性の咳(約2〜3週間持続) 
   短く激しいコンコンコンという咳が連続して起こった後、ヒューという音
   を伴いながら苦しそうに息を吸う咳発作を繰り返します。乳児の場合には
   咳をあまりせずに無呼吸状態になったり、痙攣(けいれん)を起こしたりし、
   呼吸停止に至ることもあります。また、肺炎や脳症を併発することもあり、
   最も危険な時期です。

   B少しずつ回復(2〜3週間以上持続) 
   激しい咳発作は次第に減り、忘れかけた頃に発作性の咳が出ることを繰り
   返しながら回復に向かいます。発症から約3週間経過すれば、咳発作が続
   いていても感染性はなくなりますが、咳は冷たい風や乾燥など、少しの刺
   激で誘発されるので、マスクの着用や、部屋の温度・湿度を適切に保ち、
   痰を出しやすくするために水分を摂ることが大切です。
    大人は子供よりも症状が軽く、長引く咳症状だけみられることが多く、
   典型的な咳発作を起こさない場合もあります。


    予防方法は?

    
百日咳には予防接種(ワクチン)があります。ジフテリア・破傷風・百日
   咳の3種が一緒になった三種混合ワクチンの形で通常は接種されます。日
   本では生後3ヵ月から接種することができます。乳児は、母親からの移行
   免疫が不十分なため、予防接種をする前に感染すると重症化しやすいので、
   早めに接種を受けましょう。また、普段から手洗いうがいをして感染予防
   をしましょう。

   ☆出席停止の期間の基準
    百日咳にかかったら、職場や学校を休んで、通院以外の外出を控えまし
   ょう。特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌性物質製剤に
   よる治療が終了するまでは出席停止となります。