第136回 結核                    2016.2


   咳や痰が2週間以上続いていませんか?
   風邪をひくことが多くなる季節ですが、風邪と間違えやすい病気の一つ
  に「結核」があります。とくに咳や痰がいつまでも続く場合は要注意です。
  結核は、「結核菌」という細菌によって起こる感染症です。大正、昭和の前
  半までは結核死亡が日本の死因の第1位でした。その後、徐々に減少して
  きましたが、1990年半ばには増加に転じ、その後も減少の兆しは見えま
  せん。現在、患者さんの約65%は60歳以上の高齢層ですが、20〜59歳
  の働き盛りの年代も約35%を占め、決して少なくありません。結核は、
  咳やくしゃみによって空気感染する伝染性の高い感染症のため、安易に考
  えず、まずは結核について知っておくことが大切です。


   感染すると必ず結核になるの?
  
   感染しても必ず結核になる(発病する)とは限らず、発病するのは10人に
  1〜2人位と言われています。発病する人の約50%は6ヵ月〜1年の間に、
  約80%は2年以内に発病します。また、その後の発病の危険性はゼロにな
  ることはなく、長期間経過してから、免疫力が落ちて発病することもあり
  ます。特に糖尿病を持っている人や人工透析をしている人のほか、免疫抑
  制剤(ステロイド剤など)による治療をしている人も免疫力が落ちて発病しや
  すくなるため注意が必要です。


   症状は?

   最も多くみられるのが、肺への感染(肺結核)ですが、腎臓、リンパ節、骨、
  関節等にも感染します。肺結核の初期の症状は風邪と似ていますが、咳、痰、
  発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲が
  ない、寝汗をかく、などの症状もあります。さらにひどくなると、だるさや
  息切れ、血の混じった痰などが出始め、喀血(血を吐くこと)や呼吸困難に陥
  って死に至ることもあります。


   予防方法は?

   結核の重症化を防ぐBCGというワクチンがあります。BCGは特に子供
  の結核予防に有効で、世界で広く用いられています。乳幼児期の重症結核を
  早期に予防するため、生後5ヵ月から8ヵ月の期間に接種をしましょう。
   
   結核は、家庭や学校、会社など規模の大小に関わらず、常に感染の危険性
  があります。2週間以上咳や痰が続く場合は早めに病院を受診しましょう。