第139回   過敏性腸症候群            2016.5

     

   
    不安を感じたり緊張したときに、急にお腹が痛くなったり、トイレに行
   きたくなった経験はありませんか?このような経験を長期間、慢性的に繰
   り返している場合は、「過敏性腸症候群」の可能性があります。症状がひ
   どい場合は、電車や車の中で急にトイレに行きたくなるため、学校や会社
   に行けなくなったり、外出を控えるようになり、生活の質を低下させるこ
   とにつながります。現代のストレス社会では急増している病気の一つです。



    症状は?

    腸に原因となる異常が見当たらないのに、腹痛や腹部の不快感、下痢、
   便秘といった便通異常が起こることが特徴です。大きく分けて3つのタ
   イプに分類されます。

   ■下痢型…急激な痛みと便意を伴う水のような便が1日3回以上排泄され
    ます。男性に多くみられます。
   
   ■便秘型…排便回数が週3回以下に減少します。排便時には腹痛を伴い、
    強くいきまないと便が出ないことがほとんどです。女性に多く見られ
    ます。

   ■混合型…下痢型と便秘型の症状が、数日ごとに交互に現れます。



    原因は?

    主な原因はストレスと言われています。脳が不安や緊張といったストレ
   スを感じると、脳と密接な関係にある腸に信号が伝わり、腸の運動に影響
   を与えます。脳がストレスの刺激を受けると、腸の粘膜から「セロトニン」
   という物質が過剰に分泌され、腸の運動が異常をきたし、症状が引き起こ
   されます。さらに、こうした苦痛や不安感によって、脳がよりストレスを
   感じるという悪循環が起こります。



    予防法は?

    一番の予防法は、ストレスをためないことです。精神的ストレスだけで
   なく、身体的ストレス、食物繊維の少ない食事、不規則な生活習慣が原因
   で症状が起こることがあります。多忙な毎日を過ごしていても、息抜きの
   時間を作ったり、規則正しい生活で体のリズムを整えることが大切です。

    お腹の不調は日常でもしばしば経験するため、病院に行くほどでもない
   と軽く考えがちですが、「1日に何度もトイレに駆け込む」「トイレが心
   配で外出することが不安」というほど悩んでいたら、かかりつけの病院
   や消化器科、胃腸科に相談しましょう。ストレスが強いような時は、心療
   内科も受診の対象になります。