第145回   RSウイルス感染症    2016.11

     

   
    RSウイルス感染症は「RSウイルス」というウイルスによって引き
   起こされる乳幼児期に感染する代表的な呼吸器疾患です。生後1歳まで
   に約半数の子供が感染し、2〜3歳までには、ほぼ全ての子供が感染す
   ると言われています。また、年齢を問わず感染しますが、初めて感染し
   た場合は症状が重くなりやすく、乳幼児(生後6ヵ月以内)の場合は特に
   注意が必要です。


    感染経路は?
  
    RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、会話をした際に飛び
   散るしぶきを吸い込む飛沫感染や、ウイルスがついている手指や物品(ド
   アノブ、手すり、スイッチ、おもちゃ、コップ等)を触ったり、舐めたり
   することによる接触感染で感染します。


    症状は?

    感染後、2〜8日、典型的には2〜6日間の潜伏期間を経て、発熱、
   鼻水、乾いた咳が続きます。乳児の場合、熱は38℃台が多く、39℃以
   上の高熱はまれです。多くは軽症で済みますが、症状が重くなる場合に
   は、その後、咳がひどくなる、喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状
   が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展していきます。

    初感染の乳幼児の約7割は、鼻水などの症状のみで数日のうちに軽快
   しますが、約3割は咳が悪化し、喘鳴、呼吸困難症状などが出現します。


    予防法は?

   ■マスクの着用や手洗いうがいの徹底が重要になります。また、日常的
    に手に触れる場所やドアノブ、手すりなどは、こまめにアルコール消
    毒を行いましょう。

   ■2歳以上の子供や大人が感染しても、風邪のような症状でRSウイル
    スに感染していると気付かずに乳児にうつしてしまうことがあります。
    咳などの呼吸器症状がある場合は、できるだけ乳児との接触を避け、
    マスクを着用するようしましょう。

   RSウイルスにはまだ特効薬がなく、症状を和らげることしかできません。
   感染を広げないためにも、早めに病院を受診しましょう。