第94回   ロコモティブシンドローム       2012.8


  50歳を過ぎると7割以上に可能性あり!ロコモティブシンドロームとは?

 「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)とは、骨や関節、筋肉、動き
  の信号を伝える神経などが衰えて「立つ」「歩く」といった動作が困難に
  なり、要介護や寝たきりになってしまうこと、または、そのリスクが高い
  状態のことです。略して“ロコモ”といいます。

 「腰が痛い、ひざが痛い」といった運動器の不調を訴える人や、骨がもろく
  なる人は、50歳を過ぎると急増します。入院治療が必要なケースも多く、
  そのピークは70歳代です。こうした運動器の障害が、要介護や寝たきり
  と深く関係していることがわかってきました。



   なぜロコモになるの?

 「バランス能力の低下」、「筋力の低下」は、転倒のリスクを高めます。
 「骨や関節の病気」は、骨がスカスカになる「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」
  ひざの関節軟骨がすり減る「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつし
  ょう)」、腰の神経が圧迫される「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさく
  しょう)」が代表的です。
  
  また、日本は世界にほこる長寿国ですが、その平均寿命に、からだ(運動器)
  の寿命が追いついていません。つまり、何も対策をしなければ、歳を重ね
  るごとにロコモになり、寝たきりになってしまう可能性があるのです。


   いますぐ調べてみよう!7つのロコチェック!

  自分のロコモ度は、「ロコチェック」を使って簡単に確かめることができま
  す。40歳になったら、定期的にセルフチェックをすることをおすすめします。

  @ 片脚立ちで靴下がはけない
  A 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  B 階段を上るのに手すりが必要である
  C 横断歩道を青信号で渡りきれない
  D 15分くらい続けて歩けない
  E 2kg程度の買い物(1gの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難で
   ある
  F 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

  7つの項目はすべて、運動器が衰えているサイン。1つでもあてはまればロ
  コモの心配があります。ゼロを目指して、ロコモーショントレーニングを始
  めましょう!


   ロコモーショントレーニング(ロコトレ)


  
開眼片足立ち

  バランス感覚が鍛えられ、両足で立つ時に比べて倍以上の負荷が片方の足に
  じわっとかかるため、関節を痛めることなく脚を丈夫にできます。
  
  ■目を開けた状態で、片足を床から浮く程度に上げて立ちます。
   途中で足をついてもいいので1分間続けます。
  ■左右1分間ずつを1日3回行いましょう。
  ■転倒しないように机や柱等、つかまれる物のそばで行いましょう。


  
スクワット

  ゆっくり・じっくり行うスクワットなので、体力に自身のない方でも難しく
  ありません。普段、なかなか上手に鍛えられない太ももの筋肉を簡単に無理
  なく鍛えられます。
  
  ■息を吐きながらお尻を下げ、吸いながらゆっくり元の姿勢に戻ります。
   足は肩幅より少し広く開いて、つま先は踵から30度程外向きにし、かが
   む時は、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。
  ■洋式便座に腰をおろすというイメージで行うと上手にできます。
  ■5〜6回を1日3セット行いましょう。
  ■安全のために椅子やソファーの前で行いましょう。
  ■スクワットができない時は、椅子に腰掛け、机に手をついて、腰を浮かす
   動作を繰り返しましょう。


   その他のロコトレ

  いろいろな運動を積極的に日常生活に取り入れ、楽しみながら続けましょう。

  ■ウォーキング  ■ストレッチ  ■ラジオ体操  ■家事  ■掃除
  ■農作業     ■旅行     ■庭いじり   ■行事への参加 など

  無理に試して、転んだりしないように注意してください。また、腰や関節の
  痛み、筋力の衰え、ふらつきといった症状が悪化してきている場合などは、
  まず医師の診察を受けてください。

  ロコトレは、翌日に痛みや疲れが残らない程度に毎日少しずつでも続けるこ
  とが大切です。無理をせず、年齢やロコモ度など個人の状態に合わせた運動
  を行いましょう。